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Fusion360 3Dプリンタ 電子工作 面白そうなモノづくりをやっていくブログ

3Dプリンタ ALUNAR M508の改良 傾いているノズルを水平にする

プリントしてると「ゴリゴリゴリゴリ」という音が頻繁にきこえてくることがあります。ノズルが造形物の上を移動するときの音なんですが、本来ならこんな音がするはずがありません。なので調べていると音の原因と思われるものを発見しました。

f:id:something-make:20180818195139j:plainノズルがネジに対して傾いているのがわかるかと思います。ノズルが傾いているせいでノズル先端が造形物の上を移動するときに「ゴリゴリゴリゴリ」という音が発生していたと思われます。

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原因はこのエクストルーダーをX軸に取り付けるパーツです。

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左の図のように角が直角に曲げられていることが前提のパーツなのですが、実際は右の図のように角度が90度以上になっていて全体的に開いた形状になってしまっていました。これは製造上の都合です。角の部分をプレス機等で折り曲げているのですが、曲げが足りずに開いてしまっているわけです。

問題はこれをどうやって直すかです。ハンマーで叩いて90度にするのはかなり骨が折れることになりそうです。ガスバーナーで曲げたりするのもこれまた大変。うっかり加工しすぎたりすれば取り返しも聞きません。直接加工して直角にするのはあきらめたほうが良い感じです。

ならどうするのか。というのであれこれいじっていたら良い方法を思いつきました。

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RepRap prusa i3のエクストルーダーは2本のX軸シャフトにエクストルーダーを取り付けています。下のシャフトとエクストルーダーの間に何か挟めば水平にすることができるはずです。

では何を挟むのか?このパーツはエクストルーダーのヒーターに直接触れるのでかなりの高温になります。パーツを3Dプリントするという手は使うことができません。手持ちのワッシャーは厚すぎたりして不適切です。何かちょうど良い厚みのパーツがあればいいのですが、そういった都合のいいものはそうそう転がっていません。

実際の大型産業用機械等でもこういった寸法の差が問題になることはよくあります。そうした場合、「シム」を挟みます。早い話が金属の板です。

www.monotaro.com例としてはこういったプレートを各種の厚みで用意して、組み合わせて使用することになります。しかしこれだと調整に何種類か買い揃える必要があるので結構な金額が必要です。そしてこういったシムプレートは今回3Dプリンタに使用するには大きすぎます。小さく加工してもいいかもしれませんが、金属板の加工は例え薄板でも相当に厄介です。

そんなわけで必要なのは熱に強くて、加工しやすくて、厚みの調整をしやすくて、低コストという材質のもの。探してみたらすぐに見つかりました。

 どこの家庭にもある食品用のアルミホイルです。球にするのが流行りましたね。アルミをとても精密に薄板にしたものですから熱に強く手で加工できる加工のしやすさがあり、積み重ねる枚数を変えれば厚みの調整も容易、なによりとても安価に入手することができます。f:id:something-make:20180818231501j:plain

これを適当な長さに切り取って、適度な厚みになるまで折りたたみます。

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するとこうなるので、これを挟みます。

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ものすごい雑な感じなんですけど、こんなんでもしっかりノズルの傾きが直ったらしく、ノズルが造形物を削る音がしなくなりました。