徒然なるままにMake:

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3Dプリンターでロボット作ってみる 多脚ロボット編4

something-make.hatenablog.com

このロボットの3Dデータは下のリンクのものを使用しています。

www.thingiverse.com

 

今日からはロボットを組み立てていきます。

まずはねじ止めのための処理です。

このロボットの脚の組み立てには、サーボモータ付属のねじの他にM2×6のねじを用意しました。

まずねじが貫通する部品にφ2.0mmのピンバイスで穴をあけてやります。

これはそう難しくありません。

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次にM2のねじをねじ込むことができるねじ穴をつくります。

3Dプリントされた部品の穴は荒れたりしているので直接ねじをねじ込むのは難しいです。まずねじの下穴を整えてやります。

M2のねじの下穴を調べるとφ1.6mmだとわかります。なのでピンバイスでφ1.6mmの穴をあけます。

 

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このときのコツはドリルを潤滑してやること。

ドリルの先が削っていくとき、ドリルの側面が穴側面のプラスチックにくっついたり、切りくずを巻き込んで抵抗になってしまうことがよくあります。このときの抵抗で穴がグチャグチャになったりしてしまうこともあるので、油で潤滑してスムーズにドリルが回るようにしてやります。

私は今回サラダ油を使用しました。出力するときの油壷にも使えますし、人体に無害で溶剤によるプラスチックへの悪影響も無いからです。ボトルに入れて手元に置いておくと便利です。

そのあとM2のタップで雌ねじを切るのですが、今回は手元にタップが無いので無理矢理M2のねじをねじ込んでお茶を濁します

実際問題M2のねじは下穴をきちんとφ1.6mmにできていれば、潤滑しながらねじ込んでやることでプラスチックが上手いこと変形するようで問題はありませんでした。

タップでネジを切るときのようにねじ込む→戻す→ねじ込む→戻すを繰り返して少しずつねじを切ってやるのがコツです。

 

 これでネジ穴を切ることができたので組み立てていくと問題が発生しました。

ネジの頭が大きすぎて干渉し、パーツにひびが入ってしまいました。

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分かりやすく図解するとこうなります。

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ねじの頭が段差に引っかかって斜めになり、それに合わせてねじ穴側のパーツが斜めになって割れてしまったわけです。

作者さんが使用したねじとは違うものを適当に買ってきて使用したのでこの問題が発生してしまいました。

regishsu.blogspot.comとりあえず割れたパーツのヒビはパーツクリーナーで洗浄して油を落とした後、アクリル接着剤を流し込んでおきます。PLAの接着に使われているものなので、これで問題なくくっつきました。

 

この問題の解決する方法をいろいろ考えました。

  1. ねじを作者さんと同じもの、あるいは似たものを買ってきて使用する
  2. ねじが干渉しない部品をCADソフトで設計して出力する
  3. 今ある部品の角をやすりで削る

1.ができれば全く問題ありませんが、同じねじは探した限りではみつけることができませんでした。恐らく海外規格のねじです。

今回使用したのは日本で一番流通しているJISのなべ子ねじなんですが、他の皿ねじなどのねじでも、日本に流通している規格のねじの寸法では全て角に干渉してしまうことが判明しました。海外から同じねじを輸入すればこの問題は解決しますが、あまりにもコストパフォーマンスが悪いので却下します。

 

2.まず部品の寸法を測ってCADソフトでモデリングして3Dプリンタで出力するという手間と時間がかかりすぎます。却下です。

 

そんなわけで3.を採用します。

なんだかんだでプラスチックなのでヤスリがあれば簡単に削ることができます。

下の図のように角の部分を削ってやれば問題なく日本のねじを使用できるはずです。

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実際の加工ではヤスリの角を使うとやりやすいです。

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この加工により、ねじをしっかり締めこんで固定することができるようになりました。f:id:something-make:20180901204741j:plain

 

サーボモータ付属の固定用のねじはタッピングビスになっています。

ノギスで最大直径を測るとφ1.9mmでした。なのでφ1.6mmのピンバイスで穴を整えてやると問題なくねじ込むことができました。

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こうして片足が完成しました。あとはこれの繰り返しになります。

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しかし今日は脚を二本作って終わりになりました。

買っておいたねじを全て使い切ったからです。もっと買っておけばよかった

続きはねじを買ってきてからになります。

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